我深く汝等を敬う。敢えて軽慢せず。所以は何ん。汝等皆菩薩の道を行じて、当に作仏することを得べしと。
今年から勤行の後、説法の前に拝読する御金言。これは言うまでもなく妙法蓮華経常不軽菩薩品第二十に説かれる。常不軽菩薩の二十四文字の経文であります。
日蓮大聖人様は日蓮は不軽の跡を継ぐ者であると御書の中に示されています。そして、今日蓮が唱えるところの題目は常不軽菩薩の二十四文字の経文である。とも示されています。つまり、法華経の行者の姿勢がこの経文に込められているという事であります。
今迄、何度も皆さん方にお話してきましたが、この経文は
私はあなた方を深く尊敬します。あなた方が私を軽んじ見下げたとしても、私は絶対にあなた方を軽んじたり、見下げたりしません。何故ならば、あなた方は南無妙法蓮華経の仏と同じ生命が具わっていて、南無妙法蓮華経の信心修行さえすれば、誰もが南無妙法蓮華経の仏になる事が出来るからです。
この経文は方便品の「一大事因縁」「開・示・悟・入」の目的とする所に一致しているのであります。
創価学会では、他宗の人々を邪宗、害毒と言ってさげすんできました。それは、今も変わっていません。その教育を我々も永く深く受けてきました。敵か味方かの差別感を中心にして、創価学会を批判した者はののしってののしって仕返しをする。邪宗の者を慈悲で折伏すると言い乍ら仏性など認めないという憎しみ、軽蔑の心を持った全否定の考え方でやって来ました。そして池田大作だけが仏の様に教え、池田大作が正しいと言えば正しく、間違いと言えば間違いという考えでやって来ました。大石寺も創価学会と同じで、その時代の貫主だけが仏と言ってきました。でもそれは日蓮大聖人様の教えの中に無い考え方であります。常不軽菩薩の大切さを口では説きながら、創価学会も大石寺も、日蓮大聖人様の教えを否定した生き方をしているのであります。人間以外の生命も含んだ一切衆生の全ての仏性を認める。その上で、未だ、その事に目覚めていない人々にその事を下種折伏して伝える。それが私達法華経の行者の責任と使命であります。私達が正しい本当の折伏をし、未来に仏法を伝えて行かなければ、日蓮大聖人の仏法は絶滅してしまいます。私達の信心修行に全てがかかっているのであります。
自分の成仏だけでなく、一切衆生の成仏が私達の信仰にかかっているのであります。
常に口ずさみ、実行して行きましょう。
2006年1月13日
廣田頼道 拝